ガナトン錠50mg

添付文書情報2024年07月改定(第4版)
商品情報
- 禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- 慢性胃炎における消化器症状(腹部膨満感、上腹部痛、食欲不振、胸やけ、悪心、嘔吐)。
- 用法・用量
- 通常、成人にはイトプリド塩酸塩として1日150mgを3回に分けて食前に経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜減量する。
- 特定の背景を有する患者に関する注意
- 8.1. 本剤はアセチルコリンの作用を増強するので、その点に留意して使用すること。
8.2. 消化器症状の改善がみられない場合、長期にわたって漫然と使用すべきでない。
- 相互作用
- 10.2. 併用注意:抗コリン剤(チキジウム臭化物、ブチルスコポラミン臭化物、チメピジウム臭化物水和物等)[本剤の消化管運動賦活作用<コリン作用>が減弱するおそれがある(抗コリン剤の消化管運動抑制作用が、本剤の作用と薬理学的に拮抗する)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):血圧低下、呼吸困難、喉頭浮腫、蕁麻疹、蒼白、発汗等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.2. 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
- 11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(頻度不明)発疹、発赤、そう痒感。
2). 錐体外路症状:(頻度不明)振戦。
3). 内分泌:(0.1~5%未満)プロラクチン上昇、(頻度不明)女性化乳房。
4). 血液:(0.1~5%未満)血小板減少、白血球減少。
5). 消化器:(0.1~5%未満)下痢、便秘、腹痛、唾液増加、(頻度不明)嘔気。
6). 精神神経系:(0.1~5%未満)頭痛、イライラ感、睡眠障害、めまい。
7). 肝臓:(0.1~5%未満)AST上昇、(頻度不明)ALT上昇、γ-GTP上昇、Al-P上昇。
8). 腎臓:(頻度不明)BUN上昇、クレアチニン上昇。
9). 循環器:(頻度不明)動悸。
10). その他:(0.1~5%未満)胸背部痛、疲労感。
- 高齢者
- 一般に高齢者では生理機能が低下している。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(ラットによる実験で胎仔に移行することが報告されている)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ラットによる実験で乳汁中へ移行することが報告されている)〔16.3.3参照〕。
- 小児等
- 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 適用上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人6例に本剤50mgを空腹時単回経口投与したときの血清中濃度は次のとおりであった。
経口投与時の血清中濃度(平均±標準誤差)
経口投与時の血清中濃度パラメータ
→図表を見る(PDF)
16.1.2 反復投与
健康成人6例に本剤を100mg1日3回7日間反復経口投与したときの未変化体の血清中濃度について、第2日目以降の各投与日の初回投与直前値は0.05~0.06μg/mLとほぼ一定値を示した。また、Cmaxは第10回目と最終回投与時で同様な値を示し、最終回投与時のT1/2βは単回投与時と同程度であった。
反復経口投与時の血清中濃度
→図表を見る(PDF)
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人6名に本剤50mgを空腹時及び食後30分に単回経口投与したときの未変化体の血清中濃度の推移は、食事の摂取による吸収の遅延傾向は認められたが、Cmax、Tmax、T1/2β、AUC0-∞の各パラメータに有意差は認められなかった。
→図表を見る(PDF)
16.3 分布
16.3.1 血清蛋白結合率
健康成人6例に本剤100mgを空腹時単回経口投与したときの血清蛋白結合率は96%であった。
16.3.2 臓器移行性
ラットに14C‐イトプリド塩酸塩5mg/kgを単回経口投与したとき、投与後1~2時間にほとんどの組織で最高濃度に達し、投与2時間後では腎臓、小腸、肝臓、副腎、胃の順で高く、脳、脊髄などへの中枢移行は少なかった。
ラットに14C‐イトプリド塩酸塩5mg/kgを十二指腸内投与したときの胃筋層中の放射能濃度は、血液と比較して約2倍の値を示し、胃筋層への分布は良好であった。
16.3.3 乳汁移行性
ラットに14C‐イトプリド塩酸塩5mg/kgを経口投与したときの乳汁中放射能濃度は、血清中放射能濃度と比較してCmaxで1.2倍、AUCで2.6倍、T1/2で2.1倍であった。[9.6参照]
16.4 代謝
ヒトCYP又はフラビン含有モノオキシゲナーゼ(FMO)発現系ミクロソームを用いた実験において、本剤の主要代謝物のN‐オキシド体の生成にはFMO(分子種としてFMO1及びFMO3)が関与し、CYP酵素(CYP1A2、2A6、2B6、2C8、2C9、2C19、2D6、2E1及び3A4)の関与はいずれも認められなかった。
16.5 排泄
健康成人6例に本剤100mgを空腹時単回経口投与したとき、投与後24時間までの尿中排泄率は、N‐オキシド体〔投与量の67.54%(尿中排泄量の89.41%)〕が最も多く、次いで未変化体(4.14%)であり、他の代謝物はわずかであった。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第II相試験
上腹部消化管症状を訴えた慢性胃炎患者186例を対象とした本剤75mg/日(1回25mg、1日3回)、150mg/日(1回50mg、1日3回)および300mg/日(1回100mg、1日3回)の3群における二重盲検比較試験において、「中等度改善」以上を示した有効率はそれぞれ53.3%、75.0%および65.7%であった。副作用発現率は、75mg群で4.8%(3/63例)、300mg群で1.4%(1/72例)であった。発現した副作用は、口渇、下痢、腹痛、しゃっくり、イライラ感、睡眠障害であった。
17.1.2 国内第III相試験
慢性胃炎患者111名を対象とした二重盲検比較試験において、本剤150mg/日(1回50mg、1日3回)投与群における「中等度改善」以上を示した有効率は79.3%であった。副作用発現率は3.3%(4/120例)であった。発現した副作用は、頭痛、下痢、疲労感、胸背部痛、頭がボーッとするであった。
18.1 作用機序
イトプリドはドパミンD2受容体拮抗作用によりアセチルコリン(ACh)遊離を促し、更にアセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害作用を有しており、遊離されたAChの分解を阻害する。これらの協力作用により消化管運動亢進作用を示す。
18.2 消化管運動賦活作用
18.2.1 胃運動の亢進
無麻酔イヌにおいて胃運動を用量依存的に亢進する。
18.2.2 胃内容物排出能の亢進
ヒト、イヌ、ラットにおける胃内容物排出能を亢進する。
18.3 嘔吐の緩和
イヌにおいてアポモルヒネ誘発嘔吐を用量依存的に抑制する。
- 一包可:不明
無包装状態試験:規格内変化のみ
- 分割:可能
- 粉砕:可能
粉砕後試験:経時的変化は認められなかった。@粉砕あるいは簡易懸濁しての投与は、承認された剤形での投与ではなく、適正使用の観点から、弊社としては推奨していない。本剤を粉砕あるいは簡易懸濁しての投与については、各医療担当者の裁量と判断により行う。
- 製造販売会社
- ヴィアトリス製薬
- 販売会社
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