ミールビックII皮下注用

添付文書情報2025年01月改定(第1版)
商品情報
- 習
- 処
- 生
- 特生
- 特承
- 毒
- 劇
- 麻
- 覚
- 覚原
- 向
- 接種不適当者予防接種を受けることが適当でない者
- 2.1. 明らかな発熱を呈している者。
2.2. 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者。
2.3. 本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者。
2.4. 明らかに免疫機能に異常のある疾患を有する者及び免疫抑制をきたす治療中の者〔10.1参照〕。
2.5. 妊娠していることが明らかな者〔9.5妊婦の項参照〕。
2.6. 前記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者。
- 効能・効果
- 麻しん及び風しんの予防。
- 用法・用量
- 本剤を添付の溶剤(日本薬局方注射用水)0.7mLで溶解し、通常、その0.5mLを1回皮下に接種する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 接種対象者
7.1.1. 定期の予防接種
(1). 第1期の予防接種対象者:生後12月から24月に至るまでの間にある者。
(2). 第2期の予防接種対象者:5歳以上7歳未満の者であって、小学校就学の始期に達する日の1年前の日から当該始期に達する日の前日までの間にある者(小学校就学前の1年間にある者)。
(3). 定期の予防接種対象者:昭和37年4月2日から昭和54年4月1日までの間に生まれた男性(この対象者は、令和7年3月31日までの適用とする)。
7.1.2. 任意の予防接種:任意接種として、性、年齢に関係なく接種できる。
7.2. 輸血及びガンマグロブリン製剤投与との関係
輸血の投与を受けた又はガンマグロブリン製剤の投与を受けた者は、通常、3か月以上間隔を置いて本剤を接種すること。また、ガンマグロブリン製剤の大量療法において200mg/kg以上投与を受けた者は、6か月以上間隔を置いて本剤を接種すること〔10.2参照〕。
7.3. 他の生ワクチン(注射剤)との接種間隔
他の生ワクチン<注射剤>の接種を受けた者は、通常、27日以上間隔を置いて本剤を接種すること〔10.2参照〕。
7.4. 同時接種
医師が必要と認めた場合には、他のワクチンと同時に接種することができる〔14.1.1参照〕。
- 生殖能を有する者
- 8.1. 本剤は、「予防接種実施規則」及び「定期接種実施要領」に準拠して使用すること。
8.2. 被接種者について、接種前に必ず問診、検温及び診察(視診、聴診等)によって健康状態を調べること。
8.3. 被接種者又はその保護者に、接種当日は過激な運動は避け、接種部位を清潔に保ち、また、接種直後及び5~14日の間の健康監視に留意し、局所の異常反応や体調の変化、更に高熱、痙攣等の異常な症状を呈した場合には速やかに医師の診察を受けるよう事前に知らせること。
被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。
9.1.1. 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者〔9.2腎機能障害を有する者、9.3肝機能障害を有する者の項参照〕。
9.1.2. 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者。
9.1.3. 過去にけいれんの既往のある者。
9.1.4. 過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者。
9.1.5. 本剤の成分に対してアレルギーを呈するおそれのある者。
腎機能障害を有する者:接種要注意者である〔9.1.1参照〕。
肝機能障害を有する者:接種要注意者である〔9.1.1参照〕。
妊娠可能な女性:妊娠可能な女性においては、あらかじめ約1か月間避妊した後接種すること、及びワクチン接種後約2か月間は妊娠しないように注意させること。
- 相互作用
- 10.1. 併用禁忌:副腎皮質ステロイド剤<注射剤・経口剤>(プレドニゾロン<注射剤・経口剤>等)、免疫抑制剤<副腎皮質ステロイド剤は注射剤・経口剤>(シクロスポリン<ネオーラル、サンディミュン>、タクロリムス<プログラフ>、アザチオプリン<イムラン>等)〔2.4参照〕[麻しん又は風しん様症状があらわれるおそれがある(特に副腎皮質ステロイド剤長期投与中あるいは副腎皮質ステロイド剤大量投与中の者、又は副腎皮質ステロイド剤<注射剤・経口剤>投与中止後6か月以内、免疫抑制剤長期投与中あるいは免疫抑制剤大量投与中の者、又は免疫抑制剤<副腎皮質ステロイド剤は注射剤・経口剤>投与中止後6か月以内の者は、免疫機能抑制下にあるため、ワクチンウイルスの感染を増強あるいは持続させる可能性がある)]。
10.2. 併用注意:1). 輸血、ガンマグロブリン製剤〔7.2参照〕[接種前3か月以内に輸血の投与を受けた又は接種前3か月以内にガンマグロブリン製剤の投与を受けた者は、3か月以上過ぎるまで接種を延期すること(輸血及びガンマグロブリン製剤中に麻しん又は風しん抗体が含まれると、ワクチンウイルスが中和されて増殖の抑制が起こり、本剤の効果が得られないおそれがある)。また、ガンマグロブリン製剤の大量療法において200mg/kg以上投与を受けた者は、6か月以上(麻しん感染の危険性が低い場合は11か月以上)過ぎるまで接種を延期すること(輸血及びガンマグロブリン製剤中に麻しん又は風しん抗体が含まれると、ワクチンウイルスが中和されて増殖の抑制が起こり、本剤の効果が得られないおそれがある)。本剤接種後14日以内にガンマグロブリン製剤を投与した場合は、投与後3か月以上経過した後に本剤を再接種することが望ましい(輸血及びガンマグロブリン製剤中に麻しん又は風しん抗体が含まれると、ワクチンウイルスが中和されて増殖の抑制が起こり、本剤の効果が得られないおそれがある)]。
2). ツベルクリン反応検査[本剤接種後1か月以内はツベルクリン反応が弱くなることがある(細胞性免疫の抑制が起こることがある)]。
3). 他の生ワクチン<注射剤>(おたふくかぜワクチン<注射剤>、水痘ワクチン<注射剤>、BCGワクチン<注射剤>、黄熱ワクチン<注射剤>等)〔7.3参照〕[通常、27日以上間隔を置いて本剤を接種すること(他の生ワクチン(注射剤)の干渉作用
により本剤のウイルスが増殖せず、免疫が獲得できないおそれがある)]。
- 副作用
- 次の副反応があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副反応11.1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):蕁麻疹、呼吸困難、血管性浮腫等があらわれることがある。
11.1.2. 血小板減少性紫斑病(頻度不明):通常、接種後数日から3週ごろに紫斑、鼻出血、口腔粘膜出血等があらわれるので、本症が疑われる場合には、血液検査等の観察を十分に行い、適切な処置を行うこと。
11.1.3. 急性散在性脳脊髄炎(ADEM)(頻度不明):通常、接種後数日から2週間程度で発熱、頭痛、けいれん、運動障害、意識障害等があらわれるので、本症が疑われる場合には、MRI等で診断し、適切な処置を行うこと。
11.1.4. 脳炎・脳症(頻度不明):異常が認められた場合には、MRI等で診断し、適切な処置を行うこと。
11.1.5. けいれん(熱性けいれんを含む)(頻度不明)。
- 11.2. その他の副反応1). 局所症状(注射部位):(5%以上)紅斑(15.4%)、腫脹、(1~5%未満)内出血、(頻度不明)硬結、疼痛。
2). 過敏症:(頻度不明)発疹、発熱、蕁麻疹、そう痒、紅斑、多形紅斑[接種直後から数日中にあらわれることがある]。
3). 精神神経系:(頻度不明)不機嫌、だるさ、頭痛。
4). 呼吸器:(1~5%未満)上気道炎症、鼻漏、咳嗽、(1%未満)喘息、(頻度不明)咽頭紅斑、鼻閉、口腔咽頭痛。
5). 消化器:(1%未満)下痢、(頻度不明)嘔吐、食欲減退、腹痛。
6). 皮膚:(1~5%未満)発疹[接種4日後以降にもあらわれることがある]、(頻度不明)麻しん様発疹。
7). 筋・骨格系:(頻度不明)関節痛。
8). その他:(5%以上)発熱(15.1%)[接種4日後以降にもあらわれることがある。生後12か月以上24か月未満の日本人健康小児を対象とした国内第3相試験では、接種4~11日後において、9.1%に37.5℃以上の発熱、3.8%に38.5℃以上の発熱がみられた]、(1~5%未満)上咽頭炎、(1%未満)結膜炎、(頻度不明)眼脂、頸部リンパ節腫脹、その他のリンパ節腫脹。
- 妊婦
- 妊娠していることが明らかな者には接種しないこと〔2.5参照〕。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤接種時の注意14.1.1. 接種時(1). 接種用器具は、ガンマ線等により滅菌されたディスポーザブル品を用い、被接種者ごとに取り換えること。
(2). 本剤の溶解は接種直前に行い、一度溶解したものは直ちに使用すること。
(3). 本剤を他のワクチンと混合して接種しないこと〔7.4参照〕。
(4). 本剤の溶解に当たっては、容器の栓及びその周囲をアルコールで消毒した後、添付の溶剤で均一に溶解して、所要量を注射器内に吸引すること。この操作に当たっては、雑菌が迷入しないよう注意すること。また、栓を取り外し、あるいは他の容器に移し使用しないこと。
(5). 注射針の先端が血管内に入っていないことを確かめること。
14.1.2. 接種部位:接種部位は、通常、上腕伸側とし、アルコールで消毒する。
本剤のウイルスは日光に弱く、速やかに不活化されるので、溶解の前後にかかわらず光が当たらないように注意すること。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相試験(第1期対象者)
生後12か月以上24か月未満の日本人健康小児を対象とした多施設共同、実薬(乾燥弱毒生麻しん風しん混合ワクチン(販売名:ミールビック))対照、ランダム化、評価者盲検、並行群間比較試験において、本剤又は対照薬0.5mLを1回皮下接種した。本試験は2つのコホートで構成され、コホート1(本剤群15例、対照群15例)では、本剤の免疫原性及び安全性を確認し、コホート2への移行を判断した。コホート2(本剤群171例、対照群174例)では、本剤の対照薬に対する免疫原性の非劣性を検証した。コホート2における本剤群及び対照群の治験薬接種後の麻しんウイルス中和抗体及び風しんウイルスHI抗体の抗体保有率、抗体陽転率及び幾何平均抗体価は次のとおりであった。主要評価項目である麻しんウイルス中和抗体及び風しんウイルスHI抗体の抗体保有率の群間差はそれぞれ1.7(95%信頼区間:-3.1-6.6)及び6.3(95%信頼区間:0.5-12.1)であり、いずれも事前に規定された非劣性の成功基準注1)を達成したため、本剤群の対照群に対する非劣性が検証された。
→図表を見る(PDF)
注1)非劣性の成功基準:抗体保有率の群間差について、95%信頼区間の下限値が-10%を上回った場合に非劣性が検証されたとする。なお、抗体保有率が本剤群と対照群のいずれも100%であった場合は検定統計量は計算されないが、非劣性が検証されたとする。
コホート1及びコホート2を併合した集団において、本剤接種後の副反応は28.5%(53/186例)に認められた。主な副反応として、発熱が15.1%(28/186例)、注射部位紅斑が9.1%(17/186例)に認められた。
17.1.2 国内第III相試験(第2期対象者)
5歳以上7歳未満の日本人健康小児(本剤群91例、対照群30例)を対象とした多施設共同、実薬(ミールビック)対照、ランダム化、評価者盲検、並行群間比較試験において、本剤又は対照薬0.5mLを1回皮下接種した際の免疫原性及び安全性を検討した。本剤群及び対照群の治験薬接種後の麻しんウイルス中和抗体及び風しんウイルスHI抗体の抗体保有率、抗体陽転率、幾何平均抗体価及び幾何平均抗体価変化率は次のとおりであった。
→図表を見る(PDF)
本剤接種後の副反応は30.8%(28/91例)に認められた。主な副反応として、注射部位紅斑が15.4%(14/91例)、発熱が8.8%(8/91例)、注射部位腫脹が7.7%(7/91例)に認められた。
18.1 作用機序
麻しんウイルス及び風しんウイルスは経気道的に感染し、上気道及び局所リンパ節で増殖後ウイルス血症を起こして全身の標的器官に運ばれ、麻しんあるいは風しんを発症すると考えられている。予め本剤の接種により、麻しんウイルス及び風しんウイルスに対する液性免疫及び細胞性免疫が獲得されていると、その後に麻しんウイルスあるいは風しんウイルスの曝露を受けても、獲得している免疫によってウイルスの増殖が抑制されて発症は阻止される。
- 製造販売会社
- 阪大微生物病研究会
- 販売会社
- 田辺三菱製薬
おくすりのQ&A
自費で接種された、風疹ワクチンが申請により
補助が受けれることになり、母子手帳記載以外に、予診票の控えがいるとのこと
保管中の予診票の控えを渡したら...
わからないことがあったら、
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